アベニールをさがして 読了
うーん、まずどこから話せばいいのか。
というかまだ一度しか読んでいないので正確に把握できていない所も多いはず。
当然これから読もうと思っている人にはネタバレになるので気をつけて下さい。
・ミノフスキー粒子と非ガンダム世界
アベニール世界にはミノフスキー粒子が出てくる。
つまりガンダムと同じ世界なのだろうと最初は想像して読む。
しかしどうやらロボットや宇宙の事情が、
ガンダム世界とは少し違うぞということが分かってくる。
アナハイムも登場するし、
コスモ・クルス教団の存在はF91との関連性も予期させる。
1st方面のガンダムではなく新しい宇宙世紀世界を構築したかったのかもしれない。
F91方面のガンダム世界につながっていく前史的な世界なのかもしれないし、
単純に製作時期を考えるとF91的な要素をフィードバックしたとも考えられる。
そして好意的に解釈するなら00は、
富野や安彦や他の多くのガンダムを踏襲した上で、
IF的なガンダム世界を構築した上で作られたものだと思う。
F91のMS的な意匠のものも登場するし。
インティパやインスパイアーエンジンといった技術は、
おそらくガンダム世界では発見されていなかったものだ。
F91の世界でもそれがあったかというと微妙なので、
すべてパラレル的であると考えるのが自然かもしれません。
・新たなSF概念インティパ
元ネタというか概念自体は参考にしているものがあるようですが。
インティパ効果はガンダム世界で言うところの、
ニュータイプ的な反応に近い現象を起こします。
ガンダム00でいうとダブルオーライザーのトランザム現象に近い。
つまりアベニール世界はガンダム世界をよりSF的な設定で構築しなおした、
いわば「今ならこう作り変える」という世界なのではないだろうか。
インティパとはおそらく、
生命体の意思や想念に反応する極小粒子だ。
ブレンパワードの「オーガニック的な何か」にも通じるかもしれない。
アラフマーンのように小型インスパイアーエンジンを搭載した、
インティパを凝縮して空域に散布する機体は、
強力でしかもガンダム的な世界表現を可能にする原理のメカだ。
・陰謀論と状況の錯綜
さらに陰謀論のような話題も登場して、
状況や立場がめまぐるしく展開していく。
スターウォッチャーのネットワークや、
スターバスタープロジェクトや、サージェイ。
ネフポとネオ・フリーメーソンの関わりあい方。
どれも陰謀論、現実、仮想未来を上手く絡めてまとめている。
それが可能なのは登場人物の心理の振り幅が人間的だからだとも言える。
スターバスタープロジェクトの中でも違う目的を持ったものがいて、
各集団がそれぞれの思惑で動いて状況が変化していく。
特に主人公がいる部隊が混成されていって
中間的な立場になるのはまさしく富野といった所。
ちなみに00のソレスタルビーイングは、
このあたりの状況の作り方が非常に似ている。
・関係の交錯
サージェイ内での独自の自意識を獲得している笛吹慧と、
敵対するコンラッド大佐配下のゲイズ・カレッカの男女的に惹きあう関係性や、
アウトサイダーなフール・ケアと笛吹慧の関係性。
他にも様々な交錯があって劇の流れと共に、
人間的なドラマが必ず進行していく。
富野の小説の場合、表現が非常に直接的になるので、
合わない人は合わないかもしれませんが。
本当に様々な組織が登場して、
それぞれに現場レベルでは行動理念が違うというのは、
組織と個人の意識の統率の難しさを丁寧に描いているなと思う。
その上で個々のパーソナリティまで掘り下げて関係性を作る。
これを見事と言わずしてなんと言おう。
フール・ケアはなんとなく
手塚治虫の来るべき世界に登場する「ポポーニャ」に近い気もする。
富野自身ポポーニャに対する思い入れは相当なもののようだし。
・総括
読み易い、面白い、富野。
というかまだ一度しか読んでいないので正確に把握できていない所も多いはず。
当然これから読もうと思っている人にはネタバレになるので気をつけて下さい。
・ミノフスキー粒子と非ガンダム世界
アベニール世界にはミノフスキー粒子が出てくる。
つまりガンダムと同じ世界なのだろうと最初は想像して読む。
しかしどうやらロボットや宇宙の事情が、
ガンダム世界とは少し違うぞということが分かってくる。
アナハイムも登場するし、
コスモ・クルス教団の存在はF91との関連性も予期させる。
1st方面のガンダムではなく新しい宇宙世紀世界を構築したかったのかもしれない。
F91方面のガンダム世界につながっていく前史的な世界なのかもしれないし、
単純に製作時期を考えるとF91的な要素をフィードバックしたとも考えられる。
そして好意的に解釈するなら00は、
富野や安彦や他の多くのガンダムを踏襲した上で、
IF的なガンダム世界を構築した上で作られたものだと思う。
F91のMS的な意匠のものも登場するし。
インティパやインスパイアーエンジンといった技術は、
おそらくガンダム世界では発見されていなかったものだ。
F91の世界でもそれがあったかというと微妙なので、
すべてパラレル的であると考えるのが自然かもしれません。
・新たなSF概念インティパ
元ネタというか概念自体は参考にしているものがあるようですが。
インティパ効果はガンダム世界で言うところの、
ニュータイプ的な反応に近い現象を起こします。
ガンダム00でいうとダブルオーライザーのトランザム現象に近い。
つまりアベニール世界はガンダム世界をよりSF的な設定で構築しなおした、
いわば「今ならこう作り変える」という世界なのではないだろうか。
インティパとはおそらく、
生命体の意思や想念に反応する極小粒子だ。
ブレンパワードの「オーガニック的な何か」にも通じるかもしれない。
アラフマーンのように小型インスパイアーエンジンを搭載した、
インティパを凝縮して空域に散布する機体は、
強力でしかもガンダム的な世界表現を可能にする原理のメカだ。
・陰謀論と状況の錯綜
さらに陰謀論のような話題も登場して、
状況や立場がめまぐるしく展開していく。
スターウォッチャーのネットワークや、
スターバスタープロジェクトや、サージェイ。
ネフポとネオ・フリーメーソンの関わりあい方。
どれも陰謀論、現実、仮想未来を上手く絡めてまとめている。
それが可能なのは登場人物の心理の振り幅が人間的だからだとも言える。
スターバスタープロジェクトの中でも違う目的を持ったものがいて、
各集団がそれぞれの思惑で動いて状況が変化していく。
特に主人公がいる部隊が混成されていって
中間的な立場になるのはまさしく富野といった所。
ちなみに00のソレスタルビーイングは、
このあたりの状況の作り方が非常に似ている。
・関係の交錯
サージェイ内での独自の自意識を獲得している笛吹慧と、
敵対するコンラッド大佐配下のゲイズ・カレッカの男女的に惹きあう関係性や、
アウトサイダーなフール・ケアと笛吹慧の関係性。
他にも様々な交錯があって劇の流れと共に、
人間的なドラマが必ず進行していく。
富野の小説の場合、表現が非常に直接的になるので、
合わない人は合わないかもしれませんが。
本当に様々な組織が登場して、
それぞれに現場レベルでは行動理念が違うというのは、
組織と個人の意識の統率の難しさを丁寧に描いているなと思う。
その上で個々のパーソナリティまで掘り下げて関係性を作る。
これを見事と言わずしてなんと言おう。
フール・ケアはなんとなく
手塚治虫の来るべき世界に登場する「ポポーニャ」に近い気もする。
富野自身ポポーニャに対する思い入れは相当なもののようだし。
・総括
読み易い、面白い、富野。