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ブレンパワード1話を再び見る。

いやぁ先日、久々にブレンパワードの1話を見返したが、
とんでもない演出力だわ。

勇とカナンがグランチャーでプレートを回収するシーン。
場面転換し、そこから比瑪がブレンのリバイバルに立ち会って、
勇たちと遭遇し空中での対話シーンへとうつる。

勇たちはオルファンのリクレイマーとして、
ブレンパワードの危険性を比瑪に忠告するが、
比瑪の豊な感受性がブレンと感応し、勇たちの行動に対して批判する。
これは比瑪たちが孤児院で育ったことに起因するかもしれない。

カナンはオルファンのリクレイマーとして、
リバイバルしたブレンを撃破するのが規則だと勇に言う。
しかしその言葉を受けた勇の表情は困惑。

勇はオルファンの伊佐未ファミリーの一員という立場を背負っている。
しかしこの時もうすでに勇の心は何を信じて良いのか分からない状態。
恐らく。
ブレンパワードを撃破しなくてはならないという規則に対して疑問を抱いている。
だがカナンはまだひたすらにブレンを警戒する。

そして勇は比瑪に対して警告を発する。
『ブレンパワードのことを知らないのに乗るんじゃない』
恐らく勇も本当のブレンパワードのことを知らない矛盾を抱えたままの言葉だ。

そこで比瑪の反論が繰り出される、
『この子、言うこと聞いてくれているわ!お節介はいいわ!』
事実、ヒメブレンは比瑪の言うことに反応し行動している。
産まれたばかりの不安定なアンチボディであるはずのブレンが。

勇はそれを目の当たりにしているのだ。

そして勇は自分が信じてきながらも、懐疑していたことに、
比瑪にたった一言で反論されたことから癇癪を起こす。
『マスコミの言うことなんて聞いてどうする!
ブレンパワードは使っちゃいけないんだ』

この矛盾は壮絶だ。
勇自身もなぜブレンパワードは使っちゃいけないのかを知らない。
だが家族と共にオルファンの意思に従ってきた自分を否定したくない。
しかし恐らく勇はヒメブレンからの危険性を感じることができなかった。
それが勇の言葉を圧倒的な矛盾へと追い込む。

そして癇癪を起こしたままの勇はカナンの静止も聞かず、
ヒメブレンに対して攻撃をしかける。
これはグランチャーに乗っていて神経が昂った状態だったからかもしれない。

しかしヒメブレンと比瑪のコミュニケーション能力、
つまり魂のこもったブレンの力を目の当たりにする。

ここでカナンも勇も。
自分たちが教えられてきたブレンへの認識に疑いを感じ始める。
それは劇や演出でのみ表現され一切言葉では語られない。
当然だ。
それは富野由悠季だからだ。

カナンが比瑪が人質を盾にしているということを理由に、
勇を諌めてバイタルグロウブのオーガニックエナジーの流れに乗って撤退する。

この際にヒメブレンは恐らくオーガニックエナジーを介して勇の意思に触れる。
勇とカナンが撤退するシーンを見て頂ければ、
明らかにそのことが演出されていることに気付くはずだ。

ではなぜその後にヒメブレンは勇の実家にたどり着いたのか?

これは決して偶然などではない。

いつ戦闘になってもおかしくない
緊迫し自意識が矛盾し、癇癪を起こしている状況下にありながらも、
勇はそこが直子ばあちゃんと過ごした
実家から遠くない場所であるということを気にしていたのだろう。

ヒメブレンは恐らくバイタルグロウブを介し、
その勇の「心」に触れた。
そこが勇にとっての安息の地であったことを理解したからだ。
だからヒメブレンは比瑪たちをつれて、
直子ばあちゃんのいる勇の実家にたどり着いたのだ。

これは絶対に偶然などではない。

ここまでの流れと意味性を詰め込んで20分足らずで、
言葉による説明もなく、
それぞれの主体的なセリフと矛盾によってのみで演出できるのは壮絶だ。

それがまたオープニングとしてよく纏まっているんだ。
正直これほどの詰め込み演出ができる映画監督を俺は知らない。
短い時間の間にどれだけの情報を内包させることができるか。

それは何度もの視聴に耐えさせる為の綿密な計算が必要不可欠だ。
まず初見ではバイタルグロウブというものが何かも分からないし、
ブレンがなぜ瞬間移動のようなことをできるのかも分からない。

それを一話の冒頭でやってしまうのだ。
それが富野由悠季という人なのだ。
ペラペラの内容の映画を2時間みるより、
ブレン1話の20分強を見るだけの方がよっぽど情報量が濃い。
そりゃ普通の人には敬遠されるわ。分かんないんだもん。

富野由悠季という人は作品ごとに作品世界の原理原則というものを設ける。
それがなくては作劇が成立しないことを知っているからだ。
そこから少しでもブレてしまえば作品世界は崩壊する。

だから最初は「分からなくて当たり前」なんだ
ということを頭に入れなくてはならない。
見ていくうちに分かっていく。分かろうとしなければ分からない。
そして思い返してみるに、これはそういうことだったのか。
と、気付かせる情報の重層的な演出論。

それだけでは飽き足らず、
ブレンではエヴァに対抗意識を燃やしたりと、
反逆者としての精神を作品内に織り込む。
誰か敵を作らなくてはならないのだ。
自己批判と敵を求め、対抗意識によって作品を作る。

白富野と呼ばれる時代の作品になってからは、
自分の過去作品からのモチーフを、
現在の自分というフィルターで再構築して、
そのコンセプト性を普遍的にすることに
注力することに重きを置いている気がする。

やはり富野由悠季という人が携わる作品は凄まじい。
一般で言うところの「分かりやすさ」はないのだろうが。
世の中というのは分かりにくい場所だからなぁ。

ってか俺、定期的にブレンパワードを見返してる。
ブレンパワードは過不足が確かにあるんだけど、
何故か異様に魅力的なんだよなぁ。

富野があえて気に入らない人選をしたから産まれた化学反応なのかもなぁ。

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