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病星のロックスクイーズ 序章Part2

何百年かぶりに目が覚めると、
アドムがまだ世界を歩きまわっているのが見えた気がした。
広大な地表の上には
他に動く生物や存在があまりいないから
何かが動いているのが見えるとそう感じてしまう。

宇宙と地球の間の中空から
終わってしまった惑星を見下ろしては思う。

この星を食い尽くしてしまった欲望のことを。

『燃える水』

かつて人間は無尽蔵に存在する水を
自分達が生きるためのエネルギーに変える方法を見つけ出した。
その技術は人類を救ったかに思われたが、
様々な要因が重なってしまったとはいえ、
結果としては人類から全ての水を奪うことになった。

それからすべての水を失うまでの間に人間がしたことが、
どうすれば人間は永遠に生きつづける事ができるか?
という不老不死命題への挑戦と達成だった。

さらに人間と共に永劫の時を生きる友として。
ロックスクイーズ技術によって半永久的に動き続ける、
自立思考型のアンドロイド第一号アドムは造られた。

彼を作った犬神という人間は、
既に箱舟に世界中の生命の種子を乗せて飛び立った。

犬神は人類史上最大の天才であると称された。
不老不死命題を解き人間を不老不死にしたのも犬神だったし、
半永久的に宇宙を進み続ける箱舟を設計したのもそうだ。
そして生産性を持った機械生命体を生み出したのも犬神だ。
その計画のひとつである、
自立思考型アンドロイドの最初の存在がアドムなのだ。

アドムは自らの造り方を犬神から学び、
自らの仲間を作っては世界中に旅立たせた。

アドムの眷属は複数形的敬称としてアドロムと呼ばれ、
世界中の人間のパートナーとして生き続けたのだ。

そしてアドムは考えるという行為ができる為に、
心という形のないものを探し続ける羽目になってしまう。

哀れなのか幸せなのか。
その判断は、ただの人間である自分には分からないのだろう。

俺にとってアドムは最初の友人だ。

他のアドロムと原始アドロムであるアドムは何かが違う。
それは他のアドロムたちに言わせれば
個性の違いに過ぎないのかもしれないが、
俺には違うように感じられる。

アドムは常に何かに悩んでいるのだ。
それは今の人間たちが無くしてしまった何かの輪郭のようだ。

ロックスクイーズ技術と不老不死の秘法によって、
かりそめの永遠を約束された存在たちにとっては、
苦悩というのはおとぎ話のような観念なのだ。

それをアドムだけは、確かな実感として捉まえている。

俺にはそれが羨ましくて仕方のないことなのだ。
世界中を動きまわるアドムが送信してくれていた、
旅の軌跡を眺めながら。

俺は地上へと降りる準備を始めた。

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