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最近読んだマンガ2009年3月 前編

ここ最近、全然買ったマンガのことを書けていなかったので、
簡単なレビューなどを添えながら、最近読んだマンガのことなど。
結構一杯読んだので、前・後編に分けたいと思います。
まずは前編。

目次
しましま / 群青
地を這う魚 / 吾妻ひでお
俺はまだ本気出してないだけ3 / 青野春秋
ラヂオヘッド / 内藤曜ノ介
探偵綺譚 / 石黒正数
くおんの森1 / 釣巻和
無限の住人24 / 沙村広明

しましま / 群青
表紙のデザインが気に入ったので購入。
描線もスタイルも俺の好きなタイプの作家さんなのは間違いないんだが、
少し舞台とキャラクターを活かしきれていない感を受けた。
作者の頭の中では上手く考えられているのだろうな、
という世界観ではあるのだが、
それぞれのキャラクターを活かす為のエピソード作りや、
構成なんかが、少し雑かなという印象。

『しましま』という妖怪のような妖精のような、
よくわからない存在を描きながら、
それに関わる人たちの裏設定などを匂わせつつ、
順を追って紐解いていくというスタイルの構成。

近年、こういう作風のマンガが増えている。
上手く行くと短編完結マンガとしての品質は向上するが、
短い中である程度のカタルシスを持たせる作品にする為に、
展開や構成など手法が限られてきてしまうことにもなる。
色使いや絵柄はとても好きだったので、
同作者の『橙星』というマンガも買った。
また機会があれば感想を書こうと思う。


地を這う魚 / 吾妻ひでお
アヅマ版まんが道ということで、興味津々で手を出した一冊。
まず内容云々以前にとりあえず絵が魅力的。
とにかくコマの隅々まで面白い。絵だけで新鮮。
不可思議極まりない主観世界の構築。
その世界の中で普通に「まんが道」をやるもんだから、
当時の漫画家をとりまく環境を書いたマンガは数あれど、
レトロフューチャーな雰囲気というか、
昭和をこんな風に表現した人は初めてじゃないかってくらいの衝撃。

逆に言えば、それらの歪な造形物や、
妖怪や変なキャラクターたちが意味もなく
空間にひしめきあって、時にはキャラクターに関わったり、
ただ雑然とした風景の一部となったりすることで、
時間と空間を演出するとんでもない役割を持っていて、
ただのマンガ道漫画とは一線を画す表現作品になっている。
描き下ろしのあとがきが凄く良い。
マンガの畳み方のパターンとしては流石大御所といった貫禄の締め方。


俺はまだ本気出してないだけ3 / 青野春秋
このマンガはとにかく好きで、
設定や絵、タイトルからキャラクター、空気や間、
全部が心地よい。
この巻に収録されてる11話なんて、
まさしく藤子・F・不二雄の「自分会議」なのだが、
自分会議ではシニカルで衝撃的なオチを使っていた場所で、
テレビ版エヴァの最終話のパロディのような演出を使って、
自己補完して勝手に都合のいいように話を転がしてしまう。
しかもエピソード自体は俯瞰の夢オチというあたりが良い。

ロクニシコージの「すべてに射矢ガール」が好きな自分としては、
こういうジャンルが固定化できそうでできないマンガは好きだなぁ。


ラヂオヘッド1 / 内藤曜ノ介
もう有り体に言ってしまえば
大友克洋、士郎正宗、遠藤浩輝のような、
いわゆる技巧派漫画系統に属するジャンルのマンガだと思うが、
最初に絵柄から受けた印象以上のものは、
マンガから受け取ることはできなかったなぁ。
絵は上手いと思うし、表紙なんかのデザイン性や、
色のセンスはいいと思うんだけど、
もう少し何かできなかったのかなぁとは思ってしまう。
まあこんなもんか、って感想くらいしかないかな。


探偵綺譚 / 石黒正数
今日買ったマンガ。
短編集系のマンガは好きなので、
よく表紙の絵で選んで買ってしまいます。
で、単刀直入にこのマンガの感想を言ってしまえば、
かなり好きな部類です。
表紙からは想像できない思わぬギャグもので、
しかも絵の幅が広くて上手い。
ジャンルも出版社も様々でかなり幅の広い短編集。
色んな話のパターンを試していて、
さらにそのパターンの外し方から何から、
作家さんのかなり貪欲な姿勢を感じて非常に好印象。
読んでいて久しぶりに、クスっと声を出して笑いました。


くおんの森1 / 釣巻和
これも今日買ったマンガ。
世界設定に入っていくまでが少し面倒でしたね。
もう少しゆっくり設定を追いかけられるだけの短編力が欲しかった。
絵は上手いし、色も綺麗で、
面白い表現技法や独自のコマ構成を色々と試しているので、
好印象ではあるんですが、
すこし分かりにくく押し付けがましい設定の世界に、
引き込むまでの時間が長くかかりすぎかなという気がしました。

後半になってくると、作者の言いたいことや、
伝えたいことが明確になってくるんですが、
やはり序盤から中盤にかけてはちょっと読むのが苦しかった。
マンガ好き向けマンガというジャンルも最近では、
結構多く見られるようになりましたが、
確かにこういうスタイルのマンガ好きマンガは新しいとは思う。
あとはどれだけ、この素晴らしい画力を
作品に活かしていけるかという所だろうか。
とにかく新人さんらしいんですが画力のレベルが尋常じゃない。
日本のマンガのレベルはとんでもなく上がっていると思う。


無限の住人24 / 沙村広明
沙村広明の凄い所は、このマンガをしっかりと終わらせようと、
着々と伏線を回収したりテーマを明確にして劇を展開させていることだ。
掲げた風呂敷はとんでもなく畳むのが難しい上に、
あえて時代物でそのテーマに挑んだというあたりにも、
重要な意味があるような気がする。
当然、初期衝動は不死という設定と、
自分が絵として描きたいものを合わせただけだったかもしれないが、
途中からテーマを見つけて、
それを畳むためにもう一度、物語を組み立てなおしているように感じる。

その為、テーマが重層的になり、
なおかつ構造が複雑化していくことになる。
しかし、主軸である凛の復讐の物語と卍の不死の物語が、
時代物という背景とSF的な要素を、
絡み合わせる複合的なテーマの重なり合わせを生み出している。
沙村広明はブラッドハーレーやお引越しなどの短編作品も面白かったし、
他の作品を描きたいという欲望はあるだろうが、
この無限の住人は尻切れトンボで終わらせて欲しくはない作品だ。

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